『ウイルスと昆虫』国境のない社会課題を考えたい
Insect Collection二子玉川ライズ店では、『ウイルスと昆虫』と題したワークショップを開催しました。
今、子ども達は、「ウイルス」と聞くと、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」という認識でしょう。
こんな感染症が広がるなんて誰も予期していなかった。
という報道が多いですが、SDGs3「すべての人に健康と福祉を」のターゲット3には
『2030年までに、エイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処する。』と掲げられて5年経っています。
予測をしている人は沢山いましたが、社会混乱がここまでになるのは予期していなかったのかもしれません。
感染症も、アフリカからアジアに影響が広まっているバッタの大量発生も同じ、国境がない社会課題です。
気候変動から起因して、干ばつや洪水を繰り返し、衛生管理が出来ない状況にあるエリアが増えたり、各エリアでの絶滅種が増えることで、それまで固有の生き物に寄生してきたウイルスたちの移動が起こり医療問題に発展したりということは、予てより予測できていることです。
新型コロナウイルス感染症がこれに該当するかは分かりませんが、少なくとも絶滅危惧種が増えることで、他生物にとっては脅威となる新種のウイルスが出現する確率は高まり、温暖化により雨量の変化から媒介生物が増え、感染リスクは増加するという環境ロジックを私たちは認識しなければならないと思います。
この新型コロナウイルス感染症がこれだけ広がった要因には、元々あった環境課題があり、社会に混乱が起こり、経済も窮地に追いやられています。
大規模な山火事も、影響が拡大した理由は類似しており、きっかけは人為的であったとしても、憂慮すべき根本は同じではないでしょうか。
環境、社会、経済、グリーンリカバリーの記事でもお話しした通り、好循環を作る起点はどこかに作らなくては、いつまで経っても悪循環です。
環境について学び、その重要性を理解していれば、倫理的な社会活動が行えますし、ESGの概念を持った経済活動も行えると信じています。
また移動の発展や、媒介生物自体の進化などにより、地球の裏側の危機がいずれ自分の身に及んでくることを想定すべきではないでしょうか。
私たちが昆虫柄の可愛いマスクの収益を、アフリカの感染症対策団体へ寄付することで、自分の住んでいる市区町村、都道府県、日本だけでなく、地球規模で対策しなければ本当の解決には至らないということを伝えられたらと考えました。
現在全てのマスクが売り切れてしまっておりますが、秋マスクもとっても可愛いデザインをご用意しています。
子ども達にはワクワクした気持ちを捨てることなく、ニューノーマルの生活を送ってほしい。
でもしっかりと地球の声も聞いてほしい。
『昆虫とウイルス』のワークショップでは、環境破壊によって生態系が壊れたり、衛生環境が脅かされたりすることで感染症リスクが高まっていることをイラスト紙芝居でお話しした後、子ども達にかまきりくんとのお約束として、『地球のためにできること』を1つ書いてもらっています。
例年とは違う夏休み。おうちでも話し合っていただけると嬉しいです。
昆虫ドリルには環境教育のワークも用意していますので、ぜひご活用ください。