子どものSOSを考える。9月1日問題と柔軟性が齎す人生のカード(2022/5/10追記)

※2020年8月公開の記事です(2022年5月追記あり)
  
今年は3月上旬から休校になり、春休みやGWも含め、子ども達の体感としては長かった休校明けにも心配された『9月1日問題』について、再び取り上げたいと思います。

 

子ども達の心のケアが特に必要とされる新学期。

今年は異例の夏休みで、ほとんどの子ども達が既に夏休みは明けているのではないでしょうか。

 

 

「思っていたよりお休みが短かった」、「行きたいところに行けなかった」、「大好きなおじいちゃんおばあちゃんに会えなかった」など、子ども達はこれまでより夏休みへの名残惜しさがあったかもしれません。

 

9月1日に代表される長期休み開けは、子どもの自殺が最も多いという統計もありますが、お察しの通り幼児期の自殺はほとんどありません。

しかし、10才から14才。小学校中学年以降になると、全体の死因の3位は自殺。

以降、15才から39才の死因1位は全て自殺です。

厚生労働省:死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

 
 

データの見方を変えると、うつ病などの「健康問題」と処理されたりすることもあります。

幻覚が実際に見えたり、幻聴が実際に聞こえる統合失調症も思春期から発症することが多く、これらが多分に影響しているとも取れます。

 

 

うつ病は誰でもなり得る疾患で、珍しくもない国民病となっていますが、当事者や当事者家族は、「心の風邪」と言えるほど軽いものではありません。

目に見えないので、周りに患者さんがいないと思っている人も、実は沢山いるかもしれません。

うつ病患者は、対外的な付き合いにおいて、症状を上手に隠せることも多いのです。

 

 

私は家族にうつ病も統合失調症もいるので、20年以上疾患に寄り添ってきたつもりですが、彼らの性格特性が疾患のきっかけになることもあったのではないかと思っています。

精神疾患には、それぞれ「なりやすい人」という特性が列挙され、医師も診察でこれらをチェックします。

 

例えば、「こうでなければいけない!」と完璧主義な人はうつ病になりやすいと言います。

性格特性で置き換えると、「柔軟性」のスコアが高く、「緻密性」のスコアが低い方が、うつ病にはなりにくいと言えるかもしれません。

 

緻密性は低いと問題もありますが、柔軟性は高い方が良さそうです。

では、柔軟性の高い子に育てるには、どんな教育を提供すれば良いのか。

 

性格特性は、3,4歳まででほとんど決まるため、日本の場合は学校教育より家庭教育の影響が大きい期間になります。

まず私たち親が、子どもに対して柔軟性を持って接することができるかが大きいのではないでしょうか。

9月1日問題と一言で言っても、学年によって考えるべきこと、対策は異なります。

幼少期であれば、精神疾患大国であるこの国で、レジリエンスを鍛えることは、子どもの将来にきっと良い効果があると思います。

 

子ども達のストレスの原因は、年齢と共に範囲も広がり、学校問題や恋愛問題など、多岐に渡るようになってきます。

親が関わらない環境でのストレスにも、いずれは自分で対処していかなければなりません。

 

 

そんな時にも、柔軟性があれば子ども達自身で様々なカードを導き出せると思います。

「学校が嫌だ。ま、行かなくてもいいか。」と自分に合ったフリースクールを探すかもしれません。

「好きな人に振られた。この人とは縁がなかっただけだ。」と自分を責めることなく新たな恋を探せるかもしれません。

 

レジリエンスを鍛えながらも、心が折れてしまわないように、妥協案となる人生のカードを沢山持ってもらいたい。
そして親として子ども自信の選択を応援し、バックアップする環境を整えていきたいと思います。
     


     
▼2022年5月追記▼
長引くコロナ渦で、学級閉鎖やオンライン授業などから、ようやく対面授業に切り替わるという時、保護者としては、やっと学校に行ってくれて、家事や仕事ができる・・とほっとする。子どもとしては、登校への不安が爆発し、親子で喧嘩してしまうということもあるかもしれません。
     
子どものSOSも大事ですが、パパママのSOSも同じくらい大事です。
産後うつ、イヤイヤ期への対応、様々な生活とのバランス。
     
また、子どものSOSは「子どもを心配する親だからこそ見逃す」ということがあります。
この子は昔からこういう子だから、という今までの育児経験に伴う油断や、
学校を休んだら勉強が遅れるかも…友だちとうまくいかなくなるかも…という心配からの励まし。
     
「自分は保護者なんだから自分が1人でがんばらなきゃ」と思いがちですが、本当に辛い時は、社会全体のサポートが必要です。
孤独を感じる環境での育児において虐待は他人事ではない、と感じている保護者の声も多く上がるようになりました。
限界だ、と感じるのは決して親失格だからではありません。必死に育児に取り組んでいるからこその心のSOSです。
     
第三者の目を入れることは、虐待などのトラブルや、親子関係の悪化を防止するためには大変重要です。
ショートステイなどの支援をしている自治体も多くありますし、子育て支援の窓口もありますが、まだまだ十分とは言えません。
小さな子どもの預かりであれば、予約や事前登録が必要で、「今すぐ欲しい助け」が得られる場所は数少ないです。
さらに小学生以上になると、どこに相談していいかわからない方がほとんどではないかと思います。
     


     
<小学生以降の学校の先生以外の相談先>

スクールカウンセラー
教師ではなく、学校で生徒の心理的なサポートを専門に行います。
子どもではなく保護者との面談や相談も対応している場合がほとんどです。
全国の自治体で広がっていますが、毎日常駐していなかったり、新しい職業なため、担当者の能力の幅が大きすぎることも不安視されている問題もあります。
とはいっても、まずは一番身近な相談先。まずは学校や自治体に問い合わせて利用を検討してみるのも良いと思います。
     
教育支援センター
教育委員会が設置している、教育に関するサポートを行う施設です。
教員免許を保持する職員が多く、在籍する学校に通えない児童や生徒の通室やカウンセリングなどをメインとしています。
また、保護者のカウンセリングや相談などにも対応している施設もあります。
     
子どものSOS相談窓口
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
お子さまが、自分で誰かに話したい。親や先生以外の人になら話せるかも、という場合はこちらを検討してみても良いかもしれません。
SNSでの相談窓口も開設されていますので、特に中高生以上では、LINEなどテキストなら話しやすいというお子さまも多くいらっしゃると思います。
     
不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/window/window_02.html
     
NPO法人 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
http://www.futoko-net.org/ 
     
チャイルドライン(18さいまでのこどもがかけるでんわ)
https://childline.or.jp/
     
そんな大袈裟にしていいのか、と悩むご家族が多いと思います。
しかし、先延ばしにして問題がこじれることも多くありますので、不安な時はまずは相談を。
また、相談先の担当者も人間ですので、相性が合う合わないは避けられない問題です。
担当になった人が合わないな、と感じた場合は「相談しても意味ないんだ」とは思わずに、その施設の窓口に担当変更を依頼してみたり、別の施設に相談先を変えることも決して間違いではありません。
     


     
日本は核家族化が進み、他国よりも家族から支援を受けにくい環境で子育てをすることになります。
お互いのパートナーを思いやり、また、周囲の大人全体で、子どもたちを見守るという社会になっていければと思います。
     
私たちも一社会教育の組織として、何ができるかを考えつづけてまいります。

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