困難に向き合い克服する。心の復元力『レジリエンス』とは

ストレスからの心理的な回復力。

この能力は『性格特性』の一つなので、強弱は幼少期の環境などが大きく影響します。

 

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・困難な状況に際しても、それに向き合い克服し、成長に導く能力

・試練を克服し、感情的・認知的・社会的に健康な精神活動を維持するのに不可欠な心理特性

などと定義される心の復元力『レジリエンス』に注目したいと思います。

 

 

地震に備える高層マンションの免震構造も大きく揺れることによって、大きなダメージを防ぎます。

レジリエンスについて、私は「柔軟に思考を巡らすことで、揺さぶられることがあっても強い芯を持ち、元のあるべき姿に戻ろうとする力」というイメージを持っています。

 

 

「頑丈さ」という強さは、「頑強性(ロバストネス)」の方が近く、外的要因などによって自分の心が変化することを阻止するような堅牢性が重要となってきます。

しかし、一定以上の負荷がかかってしまったときに、折れたり壊れたりしてしまうとも言えます。

堅い木は、雪が積もると折れてしまいますが、柳に雪折れなしということわざが物語るように、しなやかな強さは頑丈なものよりも、実は耐える力が強い。

 

レジリエンスでは、大きなストレスから致命傷を負わないように、困難や危機を耐えるのではなく、柔軟に受け流し、適応していくことを大事にするそうです。

 

 

日本の教育現場でも、いじめ問題などで取り上げられますが、闇雲に「強い心を持ちなさい!」という方向にならないよう、慎重な学びを必要とする分野な気がしています。

 

 

レジリエンスは幼少期だけのトピックではなく、生きる力として成年後も様々な場面で必要とされます。

誰しも大小様々なストレスを感じることはありますが、それを処理することが難しく精神疾患に発展する人が増え、今では50名以上の社員がいる場合、会社でのストレスチェックも義務化されていますよね。

 

レジリエンスに長けた人はうつ病等の後天性精神疾患にはかかりにくい、重症化しにくいと言えますが、幼少期に固定する性格特性であるため、大人になってからストレス耐性、回復力を急激に高めることは難しい。

ならば、早期に気付き環境や心を整える必要があります。

ストレスは目に見えず、弱さや甘えと捉えられてしまうことも多いですが、心は脳という物理的な臓器として扱われ、弱った臓器はケアする必要性が周知されることを願います。

 

 

もちろん、レジリエンス マッスルのトレーニングが存在するくらいなので、大人でも鍛えることは出来るのだと思います。

しかし、EQの記事でも書いたように、無理なくその力を付けられるのだとしたら、幼少期からアプローチしたいというのが私たちの考えです。

 

 

 

では、性格特性が固定化される前の子ども達にどのようなレジリエンス教育を行えば良いのでしょうか。

 

1日400回笑う!?子どもの脳と才能の伸ばし方」の記事では、

楽しい時や嬉しい時だけでなく、失敗や挫折から這い上がる時にも笑いが起こる

子どもの周りの環境が「笑い」を起こし辛い状況では、這い上がることが難しくなります。

子どもが沢山笑える心理的安全性を担保することは、トライ&エラーを繰り返し、子ども達の才能を伸ばすことに役立つといえそうです。

とお話ししました。

 

自己肯定感を高めること

大人の場合は具体的に褒めた方がいいと言いますが、子どもの場合は小さなことから大きなことまであらゆる褒め方で、根拠のない自信も含めて高めるのも、自己肯定感を育むことに繋がります。

過程を褒めることで、努力が見守られていることを認識させたり、自分が持っている物、能力、環境などに気づかせてあげることも、ポジティブな気持ちを醸成してくれると思います。

しかし、ポジティブ精神=レジリエンスではないとも言われています。

 

問題解決能力を培うこと

レジリエンスを発揮するには、「克服」していなければなりません。

ストレスの原因となる根本を解消出来れば良いのですが、たとえ抗えないことであったとしても、出来る限りの努力をしたり、視点を変え、心の折り合いをつけるのも心理上問題解決となっていると思います。

論理的思考やコミュニケーション能力も関連する力だと思いますが、解決に導けたことが自信となり、芯の強さとなりそうです。

 

味方がいることを常に忘れない

メンタルには、安定感と言う言葉も使われます。

心理的安全性が担保され、失敗しても大丈夫と思える環境が不変のものであると思うことが出来れば、安定感が増し、レジリエンスに貢献してくれます。

また、自分を無条件に信じてくれる存在がいると、その信頼を維持するため、自ずと正しい行動を心がけます。

これにより、信念が加わり、折れない力となるのではないでしょうか。

 

 

遅れて始まった新学期。

大人でさえ何を指針にすれば良いか思い悩むニューノーマルの生活において、子ども達は心のストレスを感じやすい状態であることは言うまでもありません。

 

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レジリエンスを鍛える過程も、大好きな昆虫と一緒に!

強さや逞しさの象徴として登場することの多い昆虫と言えば、カブトムシです。

カブトムシのイラストの洋服を着ている日は、いつもよりちょっと強い子になれたり、教室を開ける時の勇気が出たり。

子ども達の生きる力を育むユニフォームとして活用していただけたら嬉しいです。

 

 

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レジリエンス教育は、昨今「元に戻る力」から「成長・発展する力」という理解になって来ています。

社会不安を自身の課題と捉え、強いしなやかさを持ち発展出来る子ども達を育むことは、持続可能な開発のための教育『ESD』そのものなのではないかと思います。

 

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