教育だけじゃない、世界の子ども達への休校の影響
新型コロナウイルス感染症対策で、日本では休校期間中に学校に通えない子ども達が慣れない環境で家庭学習を進める必要がありました。
その影響は、今も土曜日の授業や夏休みの短縮といった時間的工夫などで解決すべく策が講じられているところです。
アメリカやヨーロッパでは、早くからICTを活用した授業や、授業の代わりの教育コンテンツが提供された学校も多く、日本でもそれぞれの教育委員会、学校で対応策は異なるものの試行錯誤しながら家庭学習の支援、分散登校、出来うる対応をした上での学校再開と、初めての試みが行われてきました。
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それでは、途上国の様子はどのようになっているでしょうか。
新型コロナウイルス感染症のニュースはイタリアやスペイン、中国、アメリカなどについて多く報じられますが、特に世界の最貧困層の子どもたちの生活に壊滅的な影響を及ぼし、命を守る予防接種を逃したり、暴力のリスクが 高まったり、教育を中断していることはあまり報じられていません。
食料難の地域において、給食は唯一の食事となることも多く、給食があることが女の子にとっては学校に通わせてもらえる理由となっている場合もあります。また、予防接種などの保健サービスも学校を通して受けるため、休校の影響は教育の遅れに止まりません。
現時点ですでに、肺炎によって5歳未満の子ども約80万人(1日あたり約2,200人)が1年間で死亡しています。
石けんと水で手を洗う設備が自宅にない人は世界で30億人(約40%)にのぼり、そのうち16億人は石けんか水のどちらかが利用できず、14億人は設備が全くありません。
また、1歳から14歳の子ども10人中約8人が、過去1カ月の間、自宅で保護者から何らかの形の心理的な暴力か体罰、またはその両方を受けています。安全のために講じた休校が、子ども達の心体にリスクを及ぼすこともあるということです。
2018年のユニセフの報告によると、世界で学校に行くことが出来ない5歳から17歳の子どもは3億人を越えています。
学校が近くにない、親が女の子は教育を受けるより働かせるという判断をする、戦争区域にいる、病気にかかっているなどの理由が挙げられます。
子どもが健康で、心理的安全性が保たれた上で、学業に励むということが、まるで特別なことに思えるような数字ではないでしょうか。
文部科学省の学習指導要領でもタイトルになっている『生きる力』は、子ども達自身が成長の過程で備えてゆく力であり、教師や親が与えられるものではないと思います。
しかし、生まれた国や環境によって、子ども達の生きる力を学ぶ機会が奪われることがない社会を実現しなくては、格差は広がるばかりです。
様々な社会課題を皆さんと一緒に学び、ESDに寄与できるよう行動してゆきたいと思います。
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