小学校でも始まっている、キャリア教育『キャリア・パスポート』とは
今年度からの新しい学習指導要領には、『キャリア教育』という記載があります。
高校生、中学生は元より、小学生からキャリアを考えることが重んじられています。
小さい頃からの人間形成が大人になってからも大きく影響していることは、言うまでもありません。
中高の進路指導だけでは、キャリアについての学びでは不十分である可能性が高いのです。
しかし、小学校、中学校、高等学校で横断的にそれぞれの児童生徒を可視化するのは、学力に関する情報がメインです。
そこで、小中高の12年間、どのような学びや活動を行い、どのような思考を重ねて、現在に至っているのかを振り返ることができるポートフォリオをキャリア・パスポートという仮称で呼んでいるそうです。
学習指導要領に至るまでの 「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」(平成23年1月31日)によると、キャリアは「ある年齢に達すると自然に獲得されるものではなく(中略)発達を促すには,外部からの組織的・体系的な 働きかけが不可欠」であるといいます。
そして、このキャリア教育で多用されている言葉は、『振り返り』と『見通し』です。
全ての人間は、社会での役割、地域での役割、家庭での役割など様々な役割を持って生きていきます。
キャリア教育とは、学習指導要領の特別活動において『学校,家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て,学んだことを振り返りながら,新たな学習や生活への意欲につなげたり,将来の(在り方)生き方を考えたりする活動を行うこと。その際,(児童)生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用すること。』とされてます。
では、具体的にどんな学び、取り組みが行われているのでしょうか。
現時点では、全国統一のフォーマットがあるわけではなく、各地域によって、取り組みは様々。
小中高の入学・卒業の際に、このキャリアパスポートを記録する学校もあれば、毎学年、毎学期末に記録する学校もある。中には毎時間簡単な振り返りを行い、振り返り力を培うという試みをしている学校もあるようです。
小学生の頃から、自治体が職業訓練のようなワークショップをNPOと連携して進めている学校があったり、郷土愛を育むワークと合わせたキャリア教育プログラムに取り組む学校があったり。
ICT教育と同じく、決まった形がないため、現在は全国の事例を集め、情報をシェアしている段階かと思います。
キャリア教育には、学校教育のみならず、家庭教育、社会教育で子ども達の学びを支援できることが多分にあるのではないでしょうか。
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