子どものSOSを見逃さない。休校明けにもやってくる『9月1日問題』
子どもの夏休みに関する社会問題、通称「9月1日問題」。
夏休み明けの9月1日は子どもの不登校や自殺が最も多いという統計があります。
ーどうしても宿題ができない。終わらない。
ー朝になると、お腹が痛いと言う。
ー朝ごはんをわざと食べ終わらせない。
ー風邪を引いたと言いながら熱はない。
子ども達は決して怠けているわけではなく、うまく言葉にできないSOSの場合もあります。
「9月1日問題」について、Insect Collectionでも周知拡大の一助になればと、昨年夏休み終盤にキャンペーンを行いましたが、今年は新型コロナウイルス対策の休校による夏休みと同じような状況が発生したことで、この問題が休校明けにも発生する可能性が指摘されています。
卒入学関連の連帯感に寄与する行事がスキップされ、休み中の外出がなく社会分断された子ども達の心理状態は、夏休み以上に深刻に捉えておく必要があるのではないかと思います。
子どもの様子を見直したり、質問の仕方を工夫すると、子どもたちが今まで言えなかった会話ができるかもしれません。
叱る前にまず一息。久しぶりの登校を喜べないような仕草、態度がないか留意したいですよね。
例えば、「新学期、お弁当箱変えてみる?」など、学校に行った時のことを想像させた時の表情をチェックするのもヒントになるかもしれません。
おかしいな。と思ったら、寄り添って話を聞き、決して子どもを批判したり、否定をしない。
「話してくれてありがとう。」と繰り返し、ゆっくり話しやすくする。
「一緒に問題を解決しよう。」と何があっても味方であることを伝える。
未成年の自殺理由は、学校問題が1位となっていますが、小学生までのデータは親からの叱責、しつけなど、家庭の問題が1位となっています。
休校による学習遅れを心配し、しっかり勉強して欲しいと願うパパママだからこそ、SOSを見逃すこともあるかもしれません。
だからこそ、保護者だけではなく、多くの大人がこどもをサポートする必要があります。
新しい仲間と切磋琢磨し、学生時代を送り、逞しく社会に出ていくためには、叱ったりすることも時に必要かもしません。
その時には必ず「あなたが大切だから。」という前提が十分に伝わるコミュニケーションを心がけたいと思います。
日本においては、少子高齢化、核家族化が進み死を実感する機会が少なくなる一方、ゲームや動画メディアではそれを目にしやすくなっており、幼少期の「命の重要性」を正しく学ぶことは難しくなってきています。
そんな「命の重要性」を伝える3つの教育事例をご紹介したいと思います。
1 生き物の飼育
昆虫や動物を可愛がり、一生懸命お世話をしたり、その生態を観察したりすることで、生命の大切さを学べると考えられています。
2 お墓詣り
身近な人、パパママの縁があった人の死について伝えることで、亡くなった時の悲しみに触れる機会になります。
3 絵本
死を扱った絵本によって、幼児の命・葬儀・死に対する幼児の認識が正しいものに変容されたというデータもあります。
また、日本の絵本では死を抽象的に描くものが多い一方で、海外の絵本は葬儀について細かく描写され、人が死ぬと周りがどう思うかを描いている作品も多く、日本の絵本より海外の絵本の方が、命の教育という側面では、幼児にとってイメージしやすい傾向にあると考えられています。
自分の子どもだけでなく、休み明けに子ども達の姿を見かけたときは、少しこの問題を思い出してみてください。
子どもを多くの大人で見守れる社会へ。
私たちはそんな社会をめざしていきます。
相談窓口
不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/window/window_02.html
NPO法人 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
http://www.futoko-net.org/
チャイルドライン(18さいまでのこどもがかけるでんわ)
https://childline.or.jp/