1日400回笑う!?子どもの脳と才能の伸ばし方
子どもは大人より心の感度が高く、感情能力は3歳から10歳の間で飛躍的に成長するといわれます。
ノーベル経済学賞の博士による『ペリー就学前プロジェクト』を取り上げた記事でも、質の高い教育によって幼児に対するIQへの効果は維持しなかったが、コミュニケーション能力などの非認知能力は生涯保持される傾向にあったとご紹介しました。
子どもはずっと笑ってるか、泣いてるかだなぁ。
と思ったことはありませんか?
子どもは1日400回笑って過ごすのに対し、大人は15回ほどしか笑わないといいます。
「笑う」という現象は、感情を司る神経細胞が反応して、脳の前帯状皮質が刺激されたことによって起こります。
笑いの量は発達において重要という話はよく聞きますが、楽しいことだけを目の前に並べてあげることが全てではありません。
こころの痛みの反応としても、前帯状皮質の活動によりβエンドルフィンという、鎮静効果や幸福感が得られる物質が分泌され、痛みが和らぐことがわかっています。
つまり、失敗や挫折から這い上がる時に笑いが起こるといえます。
子どもの周りの環境が「笑い」を起こし辛い状況では、這い上がることが難しくなります。
子どもが沢山笑える心理的安全性を担保することは、トライ&エラーを繰り返し、子ども達の才能を伸ばすことに役立つといえそうです。
とは言っても、ついすぐに怒ってしまう。というパパママも多いのではないでしょうか。
ビジネスではよく研修などで取り入れられているアンガーマネジメントは、子育てにも効果があると思います。
心理学では情動(最も強い感情。原因が明確で、生理的反応を伴う状態。)は、10秒程度しか継続しないとされています。
怒りの感情(カッとなる)が生じたら、深くゆっくり深呼吸し、情動(emotion)期間を経過させます。
10秒以後は、気分(mood)期間に入るので、冷静に適切な対応を取りやすくなります。
子どもの心は感度が高いので、不用意な言葉で傷付けてしまうことを抑制できます。
「心の傷」は抽象的な言葉で使われますが、心は心臓ではなく、脳。
うつ病やPTSDなど、後天的な精神疾患の多くは「心の傷=脳の傷」によって発症します。
自分自身の感情コントロールによって、子どもの発達を良くも悪くもできるということを認識し、笑顔で接していけるようにしたいですね。