親子で学びたい「メディアリテラシー教育」
新聞・テレビ・ラジオだけでなく、Webサイト、SNSや動画チャンネルなど、多様なメディアが身近なものになりました。
インターネットの普及に伴い、様々なメディアを通して情報は得やすく、発信もしやすくなりましたが、それが一概に喜ばしいことでないことは、皆さんご承知の通りです。
今回の新学習指導要領には『メディア・リテラシー教育』というワードの記載はないものの、リテラシー(literacy)とは元々「読み書き能力」のことなので、国語を中心に、これまでの学習指導要領にもメディアリテラシーの性質を含む教育は存在しました。
青少年向けにメディアリテラシーの教育を振興する総務省によると、メディアリテラシーとは、以下の3つを構成要素とする、複合的な能力のこととされています。
- ・メディアを主体的に読み解く能力。
- ・メディアにアクセスし、活用する能力。
- ・メディアを通じコミュニケーションする能力。特に、情報の読み手との相互作用的(インタラクティブ) コミュニケーション能力。
リテラシーが読み書きとすると、情報を受け取るという読みと情報を発信するという書き。
以前は事業者や著名人などが書き手の中心だったのに対し、今は皆、常にカメラを携帯し、世界に瞬時に影響を及ぼす可能性のある書き手となれてしまいます。
誰しもが、著作権・肖像権の侵害や、誹謗中傷・いじめなど、あらゆるメディアトラブルの加害者にも被害者にもなり得る状況です。
テレビ番組など著作権の存在する映像を許諾なくYouTubeでアップロードすることはもちろん違法ですが、見ることも良いことではありません。
好きなタレントさんなどの写真をダウンロードして、自分のSNSアイコンにしたり、自分の投稿としてアップすることも、著作権・肖像権の侵害などに当たります。
新聞や雑誌、テレビの画面の写真を撮って、許可なくSNSにアップロードすることも著作権を侵害しています。
余りによくあることで麻痺しそうになりますが、知らず知らずのうちに、メディアリテラシーが欠如した行動を取ってしまっているかもしれません。
誰しも、「これっていいのかな?」と思ったことはしないと思いますが、怖いのは自分では全く気づかない場合です。
訴えを起こされたりすることはなかったとしても、これらがいけないことだと分かっている人からは「リテラシーが低い人」という評価になり得ます。
子どもは、親の行動をよく見ています。年齢が進めば、親がどんな投稿をしているか知ることもあるかもしれません。
子ども達もスマートフォン、あるいは未来のそれに変わるものを持たないということはないでしょう。
近い将来に備えて、子どもにメディアリテラシーを育んでもらうことは重要です。
その為にまずは私たちが、子どものお手本となれるようなメディアリテラシーを持つ必要があるのではないでしょうか。
私たちも、洋服や絵本を作るだけでなく、商品の情報を様々なメディアを通じて発信し、お客様とメディアを通してコミュニケーションを取っています。
そのコミュニケーションは、物作りと相互的に作用しており、ブランドの信頼醸成において最も重要なファンクションであると承知しています。しかし、私たちINSECT MARKETのスタッフは、IT経験者率が高く、メディア運営の難しさは理解しているつもりです。
それでもこの『昆虫と学びのポータルサイト INSECT MARKET』というメディアを始めようと思ったのは、自分たちのサービス設計、物作りの考え方やストーリー、子ども達にどんな学びを提供したいのかをしっかりと伝えることが、教育の質を高める一助になるのではないかと思ったからです。
私たちもメディアリテラシーの重要性を肝に銘じ、皆さんと一緒に学びながら、より良いコミュニケーションを目指してゆきたいと考えています。