「褒める」と「叱る」のバランスと自己肯定感の関係性
日々子どもと接していると、「褒めすぎかな?」「叱りすぎかな?」と思うことはありませんか。
毎日褒めていると、幸せな人生が歩めるのか。
毎日叱っていると、リスク回避できて安定的な人生を送れるのか。
そんなことは分かりませんよね。
子ども達が生涯を終える時に幸せだったかどうかを親がヒアリングすることは出来ないことがほとんどですから、何が本当の正解かは分かりません。
ただ、子育てに正解はないものの、統計などのデータは存在します。
興味深いデータがあります。
国立青少年教育振興機構の調査によると、「子どもの頃の褒められた経験の多さ、叱られた経験の多さ」と「成長してからの自己肯定感」には関係性がありそうです。
このデータを見ると、褒められた経験の多い少ないで、大きく差がついていることが解ります。
叱られた経験の多さでは、あまり差がついていません。
最も自己肯定感が高かったのは、褒められた経験も叱られた経験も多かったグループであるという結果になっています。
子どもと深く接し、良い行動はしっかり褒め、悪い行動はしっかり叱る。
それは、いじめ対策にも繋がることかもしれません。
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叱ることの延長線上に、体罰による躾を許容する人もいますが、現代では意味を成さないどころか、悪影響の方が大きいことが分かっています。
『科学的に正しい子育て』(光文社新書)によると、
・暴力や恐怖で子どもをコントロールしても、子どもは善悪や社会のルールを学ぶことはできない。
・体罰を行っても、子どもの理解は進まないため、同じ失敗を繰り返し、親の体罰もエスカレートしやすい。
・脳の前頭葉の萎縮など、その後の人生に不利益な長期的影響が出る可能性がある。
といった調査結果も存在します。
自己肯定感の高さは学校生活においても、大人になって社会に出ても、様々な場面で活躍することは、レジリエンスの記事などでも触れてきました。
これらのデータを踏まえると、子どもにとっても、親にとっても、子ども達を沢山褒めて、叱る時は愛情も伝わるように目を見て、決して手は出さないのが正解に近そうな気がします。
子育てに100点はないとしても、様々な情報を子ども達の学びに生かすことはできると信じて、これからも家庭教育を担う親として、社会教育の一端を担う事業者として、発信してゆければと考えています。